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お花を贈るときのマナーとは?花選びのコツとフラワーギフトまとめ

フラワーギフト

どんな人に贈っても喜ばれるものとして身近な存在になっている、お花のギフト。
お花は誕生日や出産、引っ越しなどのお祝い事だけでなく、お悔やみごとやお供えなど、季節やシーンを問わずに贈り合えるため、「何を贈るか迷ったらお花!」という方もいるでしょう。

気軽に渡せるポピュラーなギフトとして人気のお花ですが、意外と贈るマナーを知らない方も多いもの。
正しい知識を知っておかないと、せっかくの贈り物なのに、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

ここでは、お花を贈るときのマナーやタイミング、シーン別で知っておきたいお花選びのポイントや、フラワーギフトの種類について解説していきます。
相手の気持ちをしっかりと考慮して、快く受け取ってもらうためにも、ぜひ参考にしてみてください。

お花を贈るときのマナーとは

感謝やお祝いの気持ちをあらわすためにお花を贈るのは、世界共通の文化といっても過言ではありません。
ですが、日本ではお悔やみごとや仏事など、祝い事ではない際にもお花を贈る風習があります。
そのため、お花に関するしきたりが多く、知らずに贈ってしまうと常識がない人に見られてしまったり恥をかいてしまったりすることになるため注意が必要です。

贈る相手が目上の人やさほど身近な人ではない他人の場合、特にマナーに配慮しなくてはなりません。

花言葉に気をくばる

お花を贈る際に、もっとも気をつけなければならないのが「花言葉」です。
花言葉とは、花や草木などの植物に対し、象徴的な意味を持たせるためにつけられたテーマや言葉で、17世紀のトルコではじまったと言われています。
文字や言葉で伝えるのではなく、花に自分の気持ちや思いを託して相手に贈るという風習からはじまりました。日本には明治初期以降に伝わり、今でも広く用いられています。

花言葉を調べずに、単に自分の好みや相手のイメージ、見た目のきれいさで花を選ぶのは避けるようにしましょう。
その花の花言葉がネガティブなニュアンスだった場合、思いもしないメッセージが相手に伝わってしまう、または相手がそう受け取ってしまうおそれがあります。

例えば、6月の結婚祝いに、「季節にぴったりの花だから」とアジサイを選んだとします。
しかしア、ジサイの花言葉は「心変わり」で、結婚のお祝いにはふさわしくありません。
受け取った相手だけでなく、贈られた相手の身内にまで不快な思いをさせてしまう可能性すらあるのです。

また、同じ種類の花でも、色によって花言葉が変わることがあります。
例えば、赤いバラの花言
葉は「愛」や「美」ですが、黄色いバラは「嫉妬」という意味合いを持っています。

「相手のイメージが黄色だから」「きれいで可愛い色だから」という理由だけで贈るのではなく、一度花言葉を調べてから決めるようにしてください。

お花屋さんに花束などを頼むのであれば、贈る相手との関係性やこちら側の気持ちなどを伝えると、花言葉を意識した上で花をチョイスしてくれます。
花言葉が分からない場合には、お花屋さんにお任せするのも失敗を防ぐ方法のひとつです。

贈るシーンで注意が必要

お見舞いの花

病気やケガで入院している人や自宅療養をしている人にお見舞いとしてお花を贈る際にも、注意すべきポイントがあります。

お見舞いに鉢植えの花を贈るのがNGというのは有名で、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
鉢植えの花は土に根付いているため、「寝つく」を連想させます。
病気やケガが長引く暗示をあらわすとして、縁起が悪いという理由から避けられています。

また、お見舞いに菊を贈るのもNGです。菊は、葬儀などに用いられる死者を悼むイメージが強いため、縁起が悪いとされています。
海外では白い百合が死者に手向ける花とされているので、外国の方へ花を贈る際にも花の種類には注意が必要です。

また、シクラメンの花は名前が「死」や「苦(苦しみ)」に似ていて聞こえが悪くNGですし、椿は枯れる前に花ごと落ちる様子から「首が落ちる」を連想させMGとされています。
お見舞いに花を贈る際には、これらの花を避けるよう注意しましょう。

ちなみに、お見舞いに贈るにはガーベラや胡蝶蘭がおすすめです。
ガーベラは「希望」、胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という花言葉を持っているので、縁起が良いと好まれています。

展示会・展覧会でのお祝い

展示会や展覧会でのお祝いで「景気づけに」と華やかな花を贈りたい気持ちも分かりますが、作品よりも目立つ花を贈るのは良くありません。

展示会や展覧会の主役はあくまでも作品なので、作品よりも目立つ花を贈るのはマナー違反となります。
また、虫や花粉が作品に付着してしまわないよう、花の持ち込み自体をお断りしている場合もあります。
展示会や展覧会のお祝いで花を贈りたい場合には、サプライズではなく事前に確認する、贈っても良いならどんな花がいいか相手の希望を聞くなど、配慮するようにしましょう。

お花を贈るタイミング

いくらめでたい日とは言え、花を贈るタイミングを誤ってしまうと相手に良く思われません。
とくに開店祝いなどで、オープンの当日にお祝いの花を贈るのはマナー違反です。
オープン当日は何かとあわただしい状況です。
また、お店のインテリアや装飾品の配置などが決まったあとに次々にお祝いの花がやってくると、どこに飾れば良いか、相手を悩ませてしまいます。
開店祝いにお花を贈るなら、オープンの前日までか、開店の翌日以降に贈るようにしましょう。

また、退職祝いなどで花を贈る際にも、タイミングには注意したいところです。
退職日は終業時刻まで会社に残らず、諸手続きが終わったら早く帰る人もいます。
終業時刻までに間に合うようにと午後に配達してもらうよう花を手配しても、本人が退社してしまった後になってしまうケースも往々にしてあるものです。

少しでも鮮度の良い花を贈りたい気持ちも分かりますが、配達でお花を渡す際にはタイミングのミスが多々あります。
花を配達してもらう際には、タイミングに気を付けるようにしましょう。

立て札やメッセージカードの書き方

花を贈る際にお祝いの立札やメッセージカードをつけると、誰からのギフトかが分かりやすく、より相手にもお祝いの気持ちが伝わります。
お花を手配する際に無料でつけてくれるフラワーショップも多いので、ぜひつけるようにしましょう。
一般的に、ビジネスでのお祝いや葬儀などのフォーマルな場面では立札が、友人や家族など、親しい間柄の人へお花を渡す場合には、カジュアルなメッセージカードを選ばれます。

立札では、お祝いやお供えの文言と、誰が贈った花なのかが分かるように法人名や個人名を記載します。
特に告別式やお葬式などのお悔やみのシーンでは、必ず記載するのがマナーです。

メッセージカードはカジュアルな場で使われることが多いため、特に決まったマナーはありません。ただし、目上の人や取引先の方などへ贈る際には、敬語や丁寧語を正しく使って記載しましょう。

フラワーギフトの種類

花を贈るとひと口に言っても、ギフトの種類はさまざまです。
ここでは、フラワーギフトの種類を解説しながら、向いているシーンや贈るのに向いている人をまとめました。
どんな花を贈るかが決まっていない方やどのタイプのフラワーギフトを贈るのがふさわしいかが分からない場合は、ぜひ参考にしてみてください。

花束・ブーケ

お祝いのシーンを選ばず、気軽に渡せるのが花束やブーケです。
飾る際には茎の長さを切って調整し、花瓶に移し替える必要がありますが、誰からも喜ばれる定番の贈り物と言えます。

サイズも小さなものから大きなものまで選べますし、ラッピングやリボンなどの装飾の種類も豊富。
さまざまな花の種類や色、好きなラッピングを組み合わせるだけで、世界にひとつだけのオリジナルギフトになります。

フラワーアレンジメント

フラワーアレンジメントは、花束やブーケとは異なり、花の茎が短く切られた状態で、花専用のスポンジに生けられているフラワーギフトです。
かごやバスケットに盛るように飾られているため、見た目も豪華ですし花瓶に移し替えることなく、お手入れ不要で楽しめます。

プリザーブドフラワー

生きている花を特殊な液体に浸して色を抜き、保存剤入りの染料で着色して、長く鑑賞できるようにしたのがプリザーブドフラワーです。
水や栄養剤が要らないので手間がかかりませんし、生花のような質感ながら枯れることもありません。
生花に比べて価格は高めですが、飾り箱に入ったタイプや額縁に飾られたタイプなどさまざまな飾り方があり、お祝いギフトとして定番になりつつあります。

鉢植え花

開店祝いや引っ越し祝いなど、場所に対するお祝いごとに喜ばれるのが鉢植え花です。
鉢植え花は「根付く」ためお見舞いには不向きですが、根付いたほうが良いシーンなどでは好んで選ばれます。
特に胡蝶蘭の鉢植えは鑑賞期間も長く、「幸福が飛んでくる」という花言葉から、縁起物としても喜ばれます。
ただし、ある程度のスペースを要するので、贈るところの広さや置き場所などを確認しておくと良いでしょう。

スタンド花

花が目立つよう、専用スタンドに大きく生けられているスタンド花。フラワーアレンジメントと同じく水を浸した専用スポンジで飾り付けられています。
立て札を差して贈るため人目を惹きやすく、宣伝効果を見込んでビジネスシーンやイベント時に用いられるケースが多くあります。
お祝いやイベントの後の花は、スタンドと一緒に花屋さんが回収してくれるのがほとんどです。

ハーバリウム

透明のおしゃれな瓶や容器に専用のオイルを流し込み、その中にドライフラワーやプリザーブドフラワーを閉じ込めるのがハーバリウムです。
フラワーショップやインテリアショップですでに作られた製品が売られていますが、材料さえあれば自分でも作れるため、手作りのお祝いギフトとして選ぶ人も増えています。
花の種類や花を閉じ込めるオイルの質にもよりますが、鑑賞期間は1年程度と、長く楽しめるのも魅力です。